壮烈!エビル死す | プレードとエビルの、戦闘シーンの挿入曲「マスカレード」が、二人の全てを物語っています。好きな台詞があります。↓の通りではないかもしれません。「双子はもともと、ひとつだったものが、二つに別れたもの。勝ったほうだけが、生き残ればいい。生き残ればなああっ」「僕はむしろ、運命に感謝しているよ。兄さんと、こんなにも、充実した時を過ごせたんだから」 |
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死をかけた戦い | 「殺させはしない」と叫びながら、自爆(?)したミユキ。 |
時の止まった家 | ボイスレコーダーが再生する、シンヤの穏やかな声。慟哭するDボゥィ。アキの問いへ返された、鬼気迫る台詞。「この涙を、この想い出を失わない限り、俺はラダムを憎む、俺はラダムと戦える」タイトルは知らないのですが、このシーンの挿入曲も好きです。 |
燃えつきる命 |
遂に精神が完全崩壊し、漂うブレード。オメガの触手からブレードを守った、ペガスの最後の声。もはやDボゥィ、相羽タカヤではない、親しき者達を奪われた悲しみと怒りだけがブレードを支配していた。 回転しながら砕け散ったクリスタルは、ようやく運命の呪縛からDボゥィが解放されたことを、伝えたのでしょうか?抜け殻となったDボゥィに許された、たったひとつの救い。 |
オービタルリング | 近未来に、実現しそうな感じがいいです。宇宙コロニーだったら、僕でも思いつきそうです。これは、意表を突かれました。 |
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悲愴感 | 倒すべき相手が、肉親、仲間であること。タカヤとシンヤ、双子であるが故に生まれる愛憎。バルザック、ソードの最後でも。ブラスター化の副作用で記憶喪失が進む。ラダムと闘う為にあえて辛い記憶を掘り起こし、ラダムへの憎しみを自身の心に刻み込む。しかしついに自我崩壊する。フリーマンの限界まで弾いた弓の比喩がよかった。フリーマンの解説だとエビルのクリスタルフィールドがとどめを刺して、月へ行く途中で一旦、自我崩壊したことになる。しかし、エビルが死んでからテックセットを解かないまま月へ向かったのでタイムリミットで自我崩壊した可能性もある。またはその両方かも。タイムリミットはブラスター化でも消えなかったし。「壮烈!エビル死す」でエビルが戦闘を中断して仕切り直そうと言ったのはタイムリミットでブレードが苦しみ出したからだし |
毎回、顔が違う(^^; |
瞳に注目して下さい。僕の好みは、室井聖人作監、オグロアキラ、後藤圭二原画エピソード↓のガッチャマン(梅津泰臣)とソルビアンカ(恩田尚之)タイプです。室井聖人作監の回は手抜きがありません。ふだんは省略されるテックランサーを投げてテックワイヤーで回収する一連の動作がちゃんと描写されてます。ちなみにテックランサーは振り回すだけで二つの刃をブーメランのように飛ばせます。テックランサーを分割して飛ばす時と違い、テックワイヤーを使わなくても二つの刃はブーメランのようにテックランサーに戻ってきます。第1話「天駆ける超人」でブレードが地球に落ちる前のオービタルリングの対ラダム獣戦を見て下さい 第2話「孤独の戦士」第7話「機動兵ぺガス発進」第15話「魔神蘇る」第22話「ミユキの決意」第26話「死をかけた戦い」第33話「荒野の再会」第44話「迫りくる闇」第48話「壮烈!エビル死す」 |
ノアル | みんな好きなんですが、しいてあげるなら、彼です。アキをDボゥィにとられても、めげないあたり、漢(おとこ)です。「父の面影」で、父の一面しかみていなかったことに、彼は気づいたに違いありません。過酷な運命へ立ち向かう、Dボゥィの生きざまをみて、自分が、愛するものの為にすべきことを悟ったのだと思います。最終話でやってくれました。松葉杖をついて歩いているのは、てっきり、Dボゥィだと思いました。 |
ラダム母艦脱出〜 地球帰還 |
Dボゥィが脱出ポッドに乗ってから地球に到着するまで。本編では補完されていない空白の時間なので埋めて欲しいな。脱出ポッドとクラッシュインクルードだけで地球にたどりつけたのはちょっと無理があるような。途中で輸送船に救助されるとかアナザーエピソードが作れそう。第24話「引き裂かれた過去」と違い、てっかまんかわら版のVOL.3の「あみやまさはるの文芸日記」の《ラダムの地球侵略プロローグ》は 1.土星が木星と書いてある 2.「Dボゥイを脱出させた後、父は薄れていく記憶の中で船を爆破させようと最後の抵抗をするが、今一歩の所で力尽きてしまう」と書いてある 3.「漂流船は地球を目指す。だが、Dボゥイの父親による最後の抵抗によりデータにずれが生じ、目標の地球ではなく月に不時着してしまう」と書い てある 4.「脱出カプセル」の軌道の起点がアルゴス号とラダム母艦の遭遇ポイントになってる でも「ブレード脱出とアルゴス号自爆はかなり地球に接近してから」だとすると、ブレードの方がラダムより先にORSへ到着しそうなんだが |
はじめに | 瀕死のブレードが死ななかった位だから、すぐに効かなかったテックセット干渉スペクトルを受けたソードが、大気圏突入位で死ぬ筈がないと思う。成層圏の悪魔と呼ばれた飛行形態のラダム獣に救われた可能性もある。「私はDボゥイから得た情報だけで未知物質のクリスタルやラダム樹を解析し、ブレードをブラスター化させた天才。その天才がまだ実験段階だというのだから効かなかったとしてもバルザック。お前は無駄死にではないぞ」と某少佐の様にフリーマンがつぶやいた可能性もある。だから「フォンが生き残って、ケンゴの忘れ形見であるデッドを生んだ」という筋書きで始めればよかったのにと思った。新たな復讐連鎖の始まりになって面白かったのにね。瀕死のソードは地球に残っていたラダム樹と融合し、デッドエンドを生む母体になった。テッカマンの純血種なのでブレードをも凌ぐデッドエンドの強さも当然になる。他にも筋書きにいくつか納得できない部分があった。 |
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デッドが、バトルタイプへ 、フォーマットされた |
そのテックシステムが、ブレード達のものと明らかにタイプが違い過ぎた。前者はまるで機械の様で、後者の様にラダム樹という感じではなかった。又、バトルタイプへフォーマットされる際にラダムが寄生する筈だが、デッドにはそんな様子かけらもなかった。ラダムが寄生しない不完全なテックシステムだったのか?それじゃ、ブレードと同じじゃないか?それにあんな大きなもの、どこに隠してたんだ?(^^; |
エビルのクリスタルで、 アキが、テッカマンになった |
ブレードが、エビルのクリスタルを持ち帰ったとは、どうしても思えない。瀕死の状態でそんな余裕があるとは、できすぎてる。むしろブレードが、ラダム母艦に行く為に使い切った、と考えるほうが自然だ。素体でもないアキが、どうして、テッカマンになれるんだ?テックシステムが解明された、といっても、都合が良すぎる。素体をつくる技術が、解明された位だったら、わさわざ、エビルのクリスタルをもちださなくても、いい筈だ。 |
Dボゥイが復活した | 何でもアリだなと思った(^^;俺のこんな妄想も許されるよな、、、クリスタルフィールドにDボゥイを取り込んだまま、クリスタルが砕けて13個に分裂した。その結果、全てのクリスタルと同調できるテッカマンインクルーダー(内包者)がテックセットしてクリスタルフィールドを再生しないと、クリスタルが一つに戻らず、Dボゥイがサルベージできない。インクルーダーは、分裂クリスタルでフォーマットした13人のテッカマンのバトルロイヤルの勝者とか。 |
ニフティアニメフォーラム で公開されていた年表 |
連合宇宙暦192年 ○2月 Dボウイ、空から落ちてきてラダムの脅威を告げる。 ○3月 スペ−スナイツ正式に編成される。 ○9月 スペ−スナイツ、レイピアの自爆ボルテッカで消滅 連合宇宙暦193年 ○2月 Dボウイとアキ達、旧イラク地区において合流。以後、中東、ヨ−ロッパ地区を移動する。 ○4月 Dボウイ達一行、スペ−スナイツアラスカ基地に帰還する。Dボウイ、ブラスタ−化に成功。 ○5月 オ−ビタルリング奪回作戦。 ○6月 ラダム最終計画発動。オメガとの最終決戦。フリ−マンによりラダム戦役終結宣言が発令される。 連合宇宙暦194年 ○前年より進められてきた素体テッカマンの蘇生が干渉スペクトルの応用で可能であることがわかる。 が、フリ−マン達はラダムの正体がまだ判明していない現状での蘇生に反対する。しかし、政府の強い要求に より認めてしまう。これを不服とした一部隊員はスペ−スナイツを離れてしまう。 ○政府は素体テッカマンの蘇生を一般に公表、一部市民達の反対も人道的処置の一言で押さえ込ませてしまう。 その上テッカマンが地球の危機を救ったという一般常識は根強く、企業等はむしろすすんでテッカマンを 雇用した。 ○更に、ラダム戦役の被害は地上こそ激しかったものの、オービタルリングなどは軍関係施設以外は比較的 無事であり、その事も地球復興のスピードを早くした。 ○その上、蘇生した素体テッカマン達の力が加わる事で、宇宙関係の作業スピードは飛躍的に上がり、この年の 間にオ−ビタルリング関係は8割修復を終えるという偉業を可能にした。 連合宇宙暦195年 ○この年、ラダムが再襲来、第2次ラダム戦役(通称・30日戦争)が勃発した。 ○ラダムの作戦により世界中の素体テッカマンが暴走、大混乱に陥る。 ○その壮大な陽動作戦で混乱するスキに乗じてラダムはある手段により、一気に太陽系を消滅しようとする。 だが、あるテッカマンの捨て身の戦いにより太陽系は救われた。 ○この30日戦争の中でラダムの正体が寄生生物である事が判明。そしてその母体となるのが素体テッカマンの 役割であることもわかった。 ○この事と素体テッカマンの暴動から、テッカマンという存在は危険であるという考え方が一部の人間に広まる。 だが、フリ−マンはラダムの正体を知ったことにより地球を守る為には例え少々の危険が有ろうと、 テッカマンの力が必要不可欠とみてテッカマン擁護の立場をとった。 連合宇宙暦196年 ○前年の30日戦争の責任から政府は総辞職、それまでの親宇宙開発機構派の政府から親連合防衛軍派の政府に 代わった。この為、コルベットのクーデター以来ふるわなかった軍は大幅に復権。 ○ラダムの恐怖を改めて知った人類は迎撃と対抗措置の為、第二オ−ビタルリングの建設計画を発表。 ○30日戦争での素体テッカマンの暴走は一般には(差別に対しての反動としての)地域暴動と発表された。 ○素体テッカマン達の雇用は民間レベルでは辛くなり、主に公的な組織(外宇宙開発機構)を中心に進めること になる。 ○この事により軍とスペ−スナイツは再び対立関係となり、素体テッカマンは全て軍より追い出される。 これ以降、軍はテッカマンに頼らずにラダムと戦うという無謀な路線を突き進むことになる。 連合宇宙暦197年 ○復興作業は順調であったが、素体テッカマンへの一部の人達の偏見は続いていた。政府は軍と結託し、 素体テッカマンの登録制を決めた。(近年あった外国人登録制の様なもの)これには人権上からも反発も多く 反対派はデモを行ったが、逆に弾圧され警察にテッカマン特務班(テッカマンスワット)を作らせる結果 となる。 ○だが、一般の人達にとって、テッカマンは依然ラダム戦役のヒ−ロ−であり、そのギャップゆえ二派に 分かれてのテッカマン論争が政府内だけでなく社会問題化していく。 連合宇宙暦198年〜199年 ○この年よりいよいよ第二オ−ビタルリングの建設が開始される。が、その実体は軍のリング要塞であった。 更に問題となったのはその労働力として素体テッカマンを強制徴用したことである。前年度の登録制度に続く この暴挙に素体テッカマン達は猛烈に反対運動を起こすが、30日戦争時の発狂事件を逆手に取られ 強くでれない。かくて強制徴用はなしくずし的に決定されてしまう。だが一部の若い素体テッカマン達は これに反発、徴用拒否による裁判が軍事法廷で裁かれるなどして新たな社会問題となる。 ○この裁判を不当とした素体テッカマン達によるデモが第二オ−ビタルリングの為の基礎工事中のカイロで 行われるが、暴徒化を恐れた軍の者が少年に最大レベルの干渉スペクトルを浴びせ、死亡させたことから 暴動に発展した。 ○更にに9月、後に「プラハの黒い9月」と呼ばれる、素体テッカマンによる反乱事件が発生する。これは 強制徴用を逃れた素体テッカマン達の中で、その力を悪用する者達がテロ組織化し、軍と政府に対し武力行使 の形で反乱を企てたのだ。反乱は1週間に渡って続いたが、それを制圧したのは謎の赤いテッカマンであった。 だが、これら二つの事件を軍はこの問題を外宇宙開発機構の管理責任とし、フリ−マン達スペ−スナイツの 上層部を金星の開発基地に左遷、実質上スペ−スナイツは解散状態となる。 連合宇宙暦200年〜201年 ○この年、軍と外宇宙開発機構は太陽系監視プロジェクトを開始した。ラダムを監視し、一早く発見する為の 木星基地、土星のタイタン基地の建設、監視衛星網の充実、と言う壮大な総合プロジェクトである。 ○が、計画の着手早々に恐るべき情報が…。太陽系から0.3光年の距離にラダム母艦の大艦隊がワ−プして来た というのだ。彼らは今回まるで位攻めをするかの様にゆっくりと迫って来る。母艦到達まで2年と推定される。 ○政府はこの事態にスペ−スナイツの再結成と、地球製フォ−マットのテッカマン作成を決定する。 ○軍はあわてて宇宙艦隊とソルテッカマン部隊の増設をはじめるが、素体テッカマンを頼ることは意地でもしよう とはしない。 |
レーベル/ジャケット | 単品LDと同じ。完全復刻版って、在庫処分品のこと?(^^; |
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TWAIN BLOOD | 違和感ありすぎ(^^;TV版と根本的に違う、テッカマンデザインが、どうもなじめない。配色がパステル基調で線が細いし、体も華奢すぎ。画面が明るすぎるので、輝度を下げてみたが、やはりよくない。以上の理由で作画が気に入らない。 |
燃えた時計 | ↑と同じ理由で作画は気に入らないが、脚本は最高だ。しかし、本編に必要なエピソードだったか、というと疑問。 |
MISSING RING | テックシステムが入手できたのは、都合が良すぎる。ブレードがいなければ、ラダム母船に近づくのも、ままならない筈。Dボゥイの復活プロセスを知りたい。近日上映されることは、まずないだろう(^^; |
OVA総集編 | これはもう完全に蛇足だ。アキのナレーションも、VOL.7のジャケットもおもいっきり、時空転抄ナスカだし(^^; |
「MISSING RING」 のベースとなった ニフティ アニメフォーラムの 「2年後バージョン ラダム再び編」 |
▼1/4話 連合地球暦193年2月2日、ラダムの母艦はDボゥイの捨て身の戦いによって崩壊しその侵略も幕を閉じた。いや閉じた筈であった。 だが…。ラダムによってフォーマットされてしまった素体テッカマン達がフリーマンの尽力により蘇生、その後宇宙開発や地球の復興の先兵 として今や彼らは人類にとって無くてはならない存在になった。ふと仕事の手を止める声の持ち主、スペースナイツの新隊員Dr.フレイルで ある。その15、16歳に見える顔の幼さとは裏腹に、目下フリーマンとテックシステムの共同研究を進めるやりての天才科学者である。 「テッカマンか…」カーテンを開け窓外を見るとここは何とORS…。そう、スペースナイツはその本部を地球の行政機関と共に、ORSに移して いた。そんなORSの窓から見えるのは素体テッカマン達の働く姿。今や宇宙開発のエリートとも言える彼らテッカマン。が、そんな彼らを見る フレイルの目は複雑であった。「確かにテッカマンは地球を守った英雄だ。けれど人類は本当にテッカマンという存在を気軽に受け入れて 本当によかったのだろうか…」と。その頃遠くの宇宙では…。猛スピードで進む隕石群があった。その隕石は…まるで生きているかの様に 脈動しつつ進む、進む…地球をめざして。ORSの医療セクションの一室…。二つのケーキ、二つの椅子、二人の影、けれど誕生日を祝う声 は一人…。静かな…静か過ぎる22歳の誕生日…。愛する者はいる、平和な日々もある、だけどここに愛される喜びはない。アキはDボゥイ との日々に疲れ始めていた。「誰も、誰も何にもわかっちゃいない!」皿ごとケーキを払いのけるアキ。その皿が鏡を直撃し、ひび割れる。 鏡の一つ一つに写るアキの顔は泣いている様に見えた。一方、金星の開発基地では…、突然のスクランブルがかかっていた。太陽の 黒点現象により、謎の隕石群が接近していることに気づくのが遅れたのである。直ちに発進する金星駐留のソルテッカマン部隊。だが…。 その瞬間である、反応一つしなかったDボゥイが突然、悲鳴をあげて暴れ出したのは…まるで何かに怯える子供の様に暴れるDボゥイ。 その額が感応に光る。Dボゥイの感応と時を同じくして突然隕石は姿を変えた。その瞬間ソルテッカマン達の見たものは…異形の テッカマン、異星人テッカマンであった。一瞬の内に全滅する金星の基地。「テッカマンだ!ラダムが再び攻めてきたのだ!」フリーマンから の情報によると、Dボゥイの感応によりテッカマンの接近は明らかな事実のようだ。そして、今までの研究によりテッカマンはラダム人 そのものではないこと。よって現在接近中の生命体は過去にラダムによって征服された異星人のテッカマンであることが告げられる。今回の Dボゥイの異常な感応のしかたもそれに起因するものであろうと。つまり、Dボゥイの今回感応した相手は全く精神構造の違う異星人だ。 そんな生命体の剥き出しの心と感応するのは、彼に相当の苦痛であろうと言うのだ。そしてこの感応が続けば、Dボゥイの弱った精神と体 では二日ともたないであろうと…。「あんな思いをして……、あれほどの思いをしてようやく手に入れたちっぽけな安らぎ。だがラダムは… それさえも私から奪い去ろうというのか」このことを知ったアキは無力さを噛みしめていた。かつてのDボゥイの戦いの時の様に、今回も 自分には祈ることしかできないのか。彼に残されたたった一つのものが、命すらが奪い去られようとしているというのに…。考えこむアキに フリーマンは、地球製のフォーマットによるテッカマンを作るという計画をもらす。真先に志願するアキ。がフリーマンはとめる。この実験はまだ 未完成で成功確率も低いからだ。その為フリーマンは自らをモルモットにするつもりだったのだ。それでもと必死に請うアキ。がフレイルは そんなアキを安っぽいヒロイズムと叱りつける。テックシステムへ足を運ぶフリーマン。が、その時だ!一発の銃弾がチーフの足元に炸裂 する!「下がって下さい。チーフ!」どうしても、どうしてもDボゥイの苦しみを見ていられなかったのだ。そんな手前勝手な理屈でテッカマンに なろうとするアキにフレイルが叫ぶ。「偽善者!」「何とでも言って!例え1%でも。0.1%でも…Dボゥイを(この手で)助けられる可能性が あるのなら!」人を呼びアキを取り押さえようとするフレイルを銃でとめ、アキは装置を作動した。その頃、軍本部で異星人テッカマンの目標 コースが地球突入からORSの医療セクションへと変わったとの報告が入る。先発隊の目的がDボゥイだと気づいたフリーマンは、直ちに 彼の避難を要請、ラダムによるDボゥイ再洗脳の可能性に気づいたのだ。アキがテックシステムからでてくるにはあと6時間は必要だ。 ミリーは早速Dボゥイを連れて逃げる。そしてそれを追う異星人テッカマン。更にそれを迎撃せんとするソルテッカ部隊。かくてORSを舞台に 市街戦が繰り広げられる。ノアルも新型ソルテッカマンに載って出動、なんとか第一陣は倒す。その間にミリーたちはスペースポートに到着。 Dボゥイをブルーアース号にのせて脱出させようとするが、そこで第二陣の出現だ!が、第二陣はなんと群体生物!バラバラになった 異星人テッカマンがソルテッカマンに張りつき、次々と自爆していく。その間に残りがついにブルーアース号に突入、ついにDボゥイも 捕まった。危うし、Dボゥイ!その時だ!光一閃、異星人テッカマンを真っ二つにしたのは…!赤いテッカマン!アキである。かくて 異星人テッカマンは全滅したのだが…。戦い済んで、Dボゥイの前にやってきたアキを待っていたのは…Dボゥイの恐怖に怯える顔。今の Dボゥイにとってアキは只のテッカマン、そしてそれは彼にとっては恐ろしい者以外の何者でもない。「いやぁぁぁっ!」そしてアキは逃げた。 絶望の叫びをあげながら…。「何の為にテッカマンになったの。誰の為にテッカマンになったの。なのに…なぜ、なぜ、なぜ!」そして異星人 テッカマンを撃退したにも関わらず、不安げなフリーマン。「あまりにも簡単すぎる。ラダムの真の目的は一体…」かくて、各自の不安と絶望を 乗せ、時は再び回り始める…。新たなる時が…。 ▼2/4話 自分の研究室でアキが倒した異星人テッカマンの解剖をするフリーマン。その目の前で異星人テッカマンの体からラダム虫が飛び出す。 間一髪、手術用レーザーで難を逃れるフリーマン。「こっこれは!まさかこれがラダムの正体?」慄く彼の目前で不気味に蠢くラダム。ラダム の異星人テッカマンによる攻撃から早一ヵ月・・。だがあの時ORSから去ったアキの行方は依然としてわからなかった。一方フレイルは、 Dボゥイの状態をモニターするうちに、一冊の日記を見つける。それはアキの…。思わず目をやるとそこには「淋しい。淋しい」の連呼が…。 フレイルは眉をひそめ、そして呟く。いくじなしと…。深い、深い森の間から、巨大な都市の死骸が覗く。まるで文明そのものを覆い尽くす かの様に広がる原生林…。そこにアキはいた。今や宇宙開発のエリートともいえるテッカマン。だが彼らは強制的にテッカマンにされた のであって、自ら望んでなったわけではない。全てのテッカマンがこの新時代に順応できたわけでもない。「過ぎたる科学は悲劇をもたらす」 とした者達を中心に、自然生活を営むコミュニティを形成していた。Dボゥイに拒絶されてしまった傷心のアキにとって、ここの生活は安らぎ であった。幼くしてテッカマンになってしまった少年と知り合い、遊ぶ日々…。少しずつ、アキの心が安らいでいく。一方フリーマンは、前回の 異星人テッカマンによる地球攻撃に釈然としないものを感じていた。二年前のラダム戦役に比べ、今回の攻撃はあまりにも呆気なさ過ぎる のだ。その上ラダム虫の発見によりフリーマンはラダムの前回の侵略目的が、ラダム人の地球移住にあったことに気づいた。ならば今回の 攻撃は尚更のこと納得のいかないものである。それはまるでやられることを想定したかの様な…。そして何より、Dボゥイを狙ったのは なぜか…。コミューンの人達との質素な生活、リーダーの老人はアキに何があったのかも聞かず、優しく諭す。「心の追いつかない急激な 科学の進歩は悲劇をもたらす…。だが、人類にはどんな悲劇をも乗り越えるだけの強さがきっとある…。あんたにも、きっとな…。」 一方フレイルは疲れて、うつらうつらと眠っていた。そんな彼女がハッと目が覚めるとDボゥイの呟きが聞こえる。「ア、アキ」と…。「どうして? あなた?アキに見捨てられたのよ。アキはあなたのことを放って、あなたが最も嫌うテッカマンになってしまったのよ。なのにどうして! どうしてあの人の名前なんて呼ぶの?どうして?」二人の見えない絆を見せつけられた様で。そしてDボゥイが哀れに思えて苛立つ フレイル。そんな時であった。Dボゥイの体からいままで見たこともな異様な光が…。突然、少年テッカマンが発狂した。それはまるで、 Dボゥイの異常に呼応したかの様に…。回りのテッカマン達も素体にテックセットしてとめようとするが全く効かない。その姿はまるで本編 でのブレードの様である。かくて、平和だったコミュニティは阿鼻叫喚の坩堝と化していく。一方Dボゥイは急いで医療センターに運ばれる が、原因は掴めない。謎の光を発しつつ苦しむDボゥイ。次々と少年テッカマンに倒されていくコミュニティの人々。「やめて。 もうやめてーーー!」必死のアキの叫びも耳には届かない。アキにはこの虐殺がDボゥイの肉親殺しに重なって見えるのだ。その時だ。 コミュニティの長老が叫んだ。「いかん!」と…。少年テッカマンの進む先に旧暦時代の核施設跡があるというのだ。もしもここが破壊 されればコミュニティどころか半径数百`bが汚染してしまうと言うのだ。慌てて素体になり、とめに入る長老。が少年はその老人をも一刀 のもとに殺してしまう。「いやあっっっ!」絶望の叫びと共にテックセットするアキ。ジャングルを舞台にアキと少年テッカマンとの壮絶な死闘 が繰り広げられる。それはまるで森を行く忍者同志の戦いの様だ。哀しき戦いの中でアキは自らと少年の姿が、ブレードとエビルの姿に 重なって見える。「なぜ、なぜあなたは戦えたの?こんな哀しい戦いを…。なぜ。なぜ!」だが、殺さねば多くの人達が危ない!核施設は もう目前だ。「許してーーー!!」悲鳴にも聞こえるアキの叫びがジャングルに木霊した。そして…。アキは泣いた。少年の亡骸を 抱きつつ…。自らの行ってしまった行為に…。もう戻れない宿命の海へ自ら漕ぎだしてしまったことに気づき…。その頃フリーマンは、Dボゥイ のチェックをして気づいた。彼の体の中に第二の、謎のクリスタルがあることに…。「い、いかん!」次の瞬間、Dボゥイの中で何かが 発動した。異常な高熱を発し、暴走するDボゥイの体。そのエネルギーは建物をも破壊し、慌てて脱出するミリーやノアル達…。崩れ落ちる 医療センター。その中でDボゥイは心を持たぬブレードにテックセットした。「これだ!これがラダムの目的だったのだ!」ついに心を持たない 白き悪魔が蘇った。そして絶望のどん底にいるアキは、そしてノアル、ミリーは。ラダムの新たなる計画は着実に人類を絶望の淵へと 追いやっていく。果して、人類の運命は…。 ▼3/4話 心を持たぬブレードの復活。それはラダムの新たな侵略計画のほんの始まりにすぎなかった。ノアルは早速ソルテッカマン部隊を出動、 ブレードを阻止しようとする。けれど不安の隠しきれないノアル。「勝てるのか…?一人でラダムを退治しちまったあいつによ…」 一方、スペースナイツ本部でもスクランブルの中。フレイルが一本のショックな知らせを受けていた。祖父が(コミュニティの長老)死んだ。 しかも友達であるアレフ(少年テッカマン)に殺されて…。そしてそのアレフはアキに!こみ上げてくる怒りと哀しみを必死に抑え、フレイルは 現在の事態を打開すべくアキの探索、そして祖父とアレフの解剖を提案する。驚く一同を尻目にフリーマンもその意見に同意、フレイルと 共にコミュニティに向かう。一方アキはペガスを駆り、逃げる様にコミュニティを離れていた。まるで自らの犯した罪から逃れるかの様に…。 行き先も宛もなく。ただ彷徨う…。復活した白い悪魔を倒すべく出動したソルテッカマン部隊。だが彼ら程度にかなう相手ではない。 あっという間に第一陣は撃破され、ブレードは居住ブロックへと進む。このままではブレードは本当に人類の悪魔となってしまう。ノアルは 医療ブロックをORSからブロックごと分離、被害を最小限にとどめようとする。例えテッカマンでも過去大気圏に自由落下した後はダメージ を受けていた。その効果を期待しての行動だ。さらにノアルは自由落下中にこのブロックに新開発の超フェルミオンミサイルをブチ込もうと していた。「これだからいくらチーフの頼みでも軍にゃ戻りたかなかったんだ」自らの友を自らの手で葬らねばならない皮肉に怒りすら覚える ノアル。そして呟く。「許せよ。Dボゥイ!」一方コミュニティにとんだフレイルとフリーマンは少年テッカマンと長老の遺体をチェックするが、 なぜかエビルの遺体や異星人テッカマンの時の様にラダム虫の存在が確認できない。これによりフリーマン達は今回の少年の発狂が ラダム虫と関係なく、むしろ同時刻に異変を起こしたブレードに関連があると結論づける。だがその時、基地からの報告でノアルの作戦を 知ったフリーマンは焦る。発狂の鍵がブレードだとすれば、今彼に余計な刺激を与えることは危険だ。「いかん!今ブレードに余計な エネルギーを与えては!」だが、一足おそかった。ミサイルのエネルギーを吸い取ったブレードは激しく光り、そして…。その瞬間に コミュニティの悲劇が全世界規模でよみがえった。ブレードを一種のアンテナにして全世界の素体テッカマンが一斉に発狂、一大暴動が 起こったのだ。地上で。ORSで。月で。全太陽系規模でDボゥイの悲劇が起こりつつあった。そう、これこそがラダムがDボゥイをつけ狙った 理由だったのだ。ラダムの今回の目的は征服でなく全人類抹殺だったのだ。ラダムは人類がテックシステムを破ったことを知り、それにより 人類が逆にテッカマンのノウハウを盗んで彼らの母星に攻め込んでくるのではないかと恐怖を感じた。そしてそうなる前に対抗策として 人類抹殺プログラムの入ったクリスタルをDボゥイの体に植え込み、それがついに発動したというのだ。そしてコミュニティでも、フリーマンと フレイルが発狂した素体に追われ危機に晒されていた。エアバイクで必死に逃げまどう二人。その間もDボゥイは地上へと落下して行く。 衛星軌道を回転し、地上へ。地上へ。一方スペースナイツ基地では、ペガスの反応をDボゥイとアキがかつて住んだ浜辺の家から探知した。 だがフリーマンとは音信不通。ノアルに連絡する。その報告を聞きノアルは慌てた。Dボゥイが今の軌道で落っこちて行けばその近郊に落下 するのだ。そうすればアキと鉢合わせ、下手すれば二人で戦うはめに陥る。自らの失策が招いたこの問題にノアルは自らの出撃を決意 する。「アキにDボゥイを殺させる様な真似はしない!殺すなら俺自身の手で!」そしてそれを知ったミリーもブルーアースでチーフ探索に 向かう。一方、ジャングルを逃げ惑うフリーマン達。危うし!その頃アキはDボゥイと二人で過ごした海辺の家にたどりついていた。世界中で 起きている危機も知らず。愛する者に迫りくる危機も知らず。ただ、幸せだった頃の夢に浸り…。二人のようやく手に入れた筈の安住の場所 で…。アキの目にそんな二人の生活がよみがえる。一人テラスで佇むアキの寂しい姿…。だが、危機はそんな彼女にも確実に迫りつつ あった。一方フリーマンとフレイルは最大のピンチに陥っていた。乗っていたエアバイクも破壊され、素体テッカマン達に囲まれてしまった のだ。囲む彼らのほとんどをフレイルは知っていた。だが今の彼らは…。恐怖に慄くフレイル。そして飛びかかる彼らに、フレイルは思わず ラダムニードル銃を発射した!吹っ飛ぶ素体テッカマン。だが、彼らは恐れもせず次々と襲い来る。危うし!そのときだ!上空からミリーの ブルーアース号が救援に駆けつけ、干渉スペクトルを浴びせる。間一髪救出される二人。浜辺の家で独り、幸せな日々を思い起こすアキ。 だが戦いの渦はそんな彼女を逃しはしなかった。発狂したテッカマンがここにも押し寄せてきたのだ。ラダムの呪いが、二人の思い出を壊し 去っていく。だがアキは、前回の少年テッカマン殺しの痛手からまだ回復していなかった。「もう、誰も殺したくない。何もしたくない」アキは 無抵抗のまま素体テッカマンに殺されようとしていた。迫る素体の凶刃…。その時だ、空からDボゥイが降ってきたのは。海に激突した ショックで激しい水柱が上がる。その地響きで間一髪、素体の凶刃はアキを逸れた。いや、素体テッカマンはまた立ち上がってくる。そして アキに向かい、その首を締めて、締めて…。全てが真っ白になっていく。遠くでDボゥイの声が聞こえる様な気がする。だが…。ふっと 素体テッカマンの力が抜ける。そして倒れつつテックセットアウトする素体テッカマン。その後ろに銃を持ち、立つシルエットは…フレイル。 そしてミリー。ブルーアース号で辿り着いたのだ。自らが負うべき試練からあくまで逃げようとするアキに怒りのフレイルは無理やりテラスに アキを引っ張って行き、ノアルとブレード死闘を見せつける。目の前で愛する者と友人が闘う様を…。「やめてーーー!」今やブレードを中心に 全世界はパニック状態だ。素体テッカマンの暴動は今も数多くのDボゥイを作っている。そう、素体テッカマンの中には知らない内に肉親や 兄弟を殺している者もおろう。「私も殺したわ。友達をこの手で!それでもあなたは逃げるの?どこへ逃げるの?逃げれるものならいくらでも 逃げるがいい。けれど、逃げた先であなたは見るのよ、数多くのDボゥイ達を!」と無気力なアキをフレイルは責めつける。だが、アキは まだ…。ノアルはついに最期の賭けにでた。大気圏突入の際に破損した肩のボルテッカ発射口にソルテッカマンのエネルギーを暴走させ 放り込み、内部で対消滅を起こさせ、破壊しようというのだ。ノアルは機体ごとブレードにしがみつき、自爆させた(もちろんノアルは脱出して いますよ)。そして大爆発…。アキの目の前に落ちてくるランサー。だが、Dボゥイは…。無事どころかブラスター化したブレードは異空間を 作りだす。それは…。ついにラダムの人類抹殺計画の全てがベールを脱いだ。心を持たぬブレードを中心に現れたのは…なんと ワームホール!Dボゥイ自身が一種のホワイトホールとなってその異空間の奥から地球を破壊すべく赤色星を出現させようとしている。 これが出現すれば地球は、いや太陽系自体が消滅する。今や人類の運命は風前の灯火だ。果して人類の運命は…。そしてアキは復活を 遂げることができるのか。 ▼4/4話 ラダムの人類抹殺計画。それは何とDボゥイの体内にある光物質変換機能を利用してホワイトホールを作りだし、一気に太陽系を消滅 させんとするものであった。テックシステムを打ち破り、ラダムの侵略を未然にくいとめた人類。それは彼らラダムにとって宇宙で最も危険な 存在といえた。それゆえラダムは危険な人類を一気に抹殺すべく今回の太陽系消失プログラムを発動させたのだ。そしてそれをとめる には、皮肉にも素体テッカマンのアンテナとなり、今やホワイトホールと化そうとしているブレードを自らの手で殺すしかない。万策尽きた フリーマン達。もはや地球を救えるのはアキしかいない。だが、そのアキは、未だ立ち上がれないでいた。何とかアキに立ち上がってもらおう と頼む仲間達。だが、アキは怖い。怖いのだ。思わず別室にこもってしまったアキ。ドア越しにフレイルは語りかける…。静かに。呟く様に…。 「あなたと同じ様に今の私の手も汚れている。かつてのあなたと同じ様に今の私にできるのもただ祈ることだけ…。でも今のあなたには力が ある。例え忌まわしい力でも、その力はあなたの運命を切り開くことのできる力が…。それを望んだのはあなたじゃなかったの?Dボゥイを 守る為に。Dボゥイが守ろうとしたものを壊さない為に!」「Dボゥイを…守る…」焦点の合わない目をしながらフラ〜ッと立ち上がるアキ。 ゆっくりと。ゆっくりとフレイルのいるドアの方に近づいていく。が、その時である。ブレードを中心に起こる重力波による嵐で家の天井が 崩れだした。「アキさん、フレイルさん!!」ミリーの叫ぶ声が崩れる家の轟音に打ち消され…。アキが気がつくと、目の前にはフレイルが 倒れていた。二人共無事である。「なぜ…」と見ると、二人の上にはペガスが…。その身を挺して二人を守ってくれたのだ。が、その体は 重力波から家を守ってボロボロである。「ア、アキ…」と言うそのペガスの声に混じってアキは聞いた。彼女の最愛の人の声を…。 「Dボゥイ!!!」そう、ペガスにインプットされていたDボゥイの声が、今のショックで流れ出てきたのであった。「…ペガス…俺の最後の 命令だ。今から俺はラダムの母艦に突入する。その、最後の時まで俺を援護しろ…。最期まで…」Dボゥイの声に涙も出さずに打ち震える アキ。「そして。もしもお前一人だけでも生き延びたなら…その時は守ってくれ。アキを…。俺にカワッテ、カワ…テ…。テ…」そして、沈黙…。 アキは泣いていた。いつの間にか…。自分のことなど振り切って行った…そう思っていた。振り切って家族の魂を救う。それだけの為に 破滅へと向かっていった…そう思っていた。でも、彼はその生命の最後の時にも、自分のことを思ってくれていた。そのことが悲しくて… そのことが嬉しくて…。そしてついにアキは立ち上がった。今こそ彼が信じられるから…。今こそ彼の全てを愛することができるから…。 彼のランサーをその手に携えて。彼の最後に残された命をその手で絶つ為に…。いや、愛する彼が命を賭けて守ろうとしたものを守る為に …。一同にさよならの一言を残し、二度と帰らない戦いに…。かくてアキとブレードの死闘が始まった。恐らく敵わないであろう戦いが…。 だがブレードはアキにとどめをさせない。いや刺せないのだ。ブレードの中に微かに残ったDボゥイの意思が、ラダムへの最後の抵抗を 試みていた。それは、あたかもDボゥイがアキに自らの魂を救えと言っているかの様に…。その一瞬の隙をつきアキの持つランサーが彼の胸 を貫いた。その瞬間だ!充分に育ったワームホールはブレードを離れ、その奥から赤色星を守るガーディアンが姿を現す。全ては遅かった のか。地球は、Dボゥイの思いは無駄となるのか…。「そうはさせない!!」とガーディアンを倒すべくワームホールへの突入を決意する アキ。このガーディアンこそラダムが肉体的に最も進化を遂げた時をモチーフに造り上げたモニュメント。言わば元祖テッカマンとも言える 存在であった。これを倒さねば地球は終わりだ。ペガスが、エビルのクリスタルを胸に特殊フィールドを作りだしアキの手助けをする。 ボロボロに…ボロボロになりながらもワームホールへ突入して行くアキとペガス。そしてガーディアンとアキの死闘。が、流石にラダムが 最後の切り札としていたガーディアンだ。戦いはアキの一方的に不利な状況である。「ここまでか…」そう思った時だ。ワームホールの中で 輝く一条の光が…。「あれは…」そう、ブレードだ。この上ブレードとガーディアン二体と闘う力などアキには残されてはいない。「駄目なの… いや、負けはしない。あの人の為に…」迫り来るブレード。構えるアキ。が、その光は、アキの横を擦り抜けてガーディアンに突き向かって 行く。「Dボゥイ!…じゃあ、じゃあ…」そう、これこそラダムの作ったワームホールが起こした奇跡であった。ワームホールの中は時間の概念 が通用しない。それゆえにDボゥイの神経核破壊をもなくし、正常な彼を呼び戻したのだ。だが、これはこの中だけのこと…。正に一瞬の 逢瀬であった。そしてアキはペガスとブレードとの合わせ技の最終兵器でガーディアンを粉砕、かくて地球は救われた。戦い終わって眩しい 夕日の中で…。近づいてくる一同から逃げる様に去ろうとするアキテッカマン。例えどんな理由があろうと愛する者を殺そうとしたのだ。 アキは去り、二度と戻らないつもりであった。だがそれをフレイルがとめた。「もう、逃げることはないわ。例え…彼に拒絶されようとあなたは、 あなたの信じる様に愛すればいい」そしてアキはDボゥイに近づく。脅える少女の様に…。固く、冷たいその手を震わせて。「こんな…私でも …愛してもらえますか…」その時だ!動かない筈の、意思のない筈のDボゥイの手が動き、アキの手に重なる。冷たい筈の目から流れ出る のは涙?「Dボゥイ…(首を振り)ううん、タカヤ」夕日の中重なる、二つのシルエット。そしてそれを見守る一同。貰い泣きのフレイルに フリーマンが呟く。「テッカマンは確かに人類にとって早すぎる危険な玩具かもしれない。だが、きっと人は、それを克服する…」フレイルは うなづく。「信じます…人の…強さを…」そして…また明日が始まる…。 |